宝石のような東山円筒分水槽

2020/09/22

# 風習・文化

円筒分水槽と聞いて知っている方はとても少ないのではないでしょうか?

農作地「主に田んぼ」に必要な水源を各地域に平等に分配するために作られたとても理にかなったしくみです。今回は富山県にある東山円筒分水槽についてご紹介します。

まだ観光化していない魅力

富山県魚津市東山地区にある「東山円筒分水槽」はよくある観光地にあるような史跡と違い、農業のために必要だった本来のあるべき姿がそのままに飾らず残っています。
しばらく田んぼや畑が続く田舎の川沿いの道を進んでいくと突然あらわれます。
下から見たときは何かあるなーという程度でその美しさはわかりませんが、施設の上部からの景色は絶景で今まで感じたことのない景色を見ることができます。

円筒水槽のしくみ

水位が高く、水が多かった貝田新地内にある水源を方貝川の底にトンネルを作り、水不足の反対側の東山地区に移動させるために円筒分水槽がつくられました。
東山地区は方貝川より高く、通常では水が上がってこないのですがサイフォンの効果を利用して東山に円筒分水槽を設置することによって実現しています。
東山地区に届いた水は三つの用水に分けられ天神野用水・東山用水・青柳用水につながっていきます。この水によってこれまでの水不足が解消され、農地に多大な潤いをもたらすことになったことは歴史背景を考えてもとても素晴らしい効果があったと感じられます。そして施工後50年たった今もでも何ら支障なく安定した用水に貢献しているということにもこの水槽の役割と価値について考えさせられました。

日本一美しい円筒水槽

この場所を訪れてまず感じるのはその水の美しさです。この美しい水で育った稲や作物はとてもおいしいに違いないと感じました。施設へは東山用水・青柳用水側の田んぼのあぜ道を少し入っていくと丸く大きな筒から水が湧き出ているようなイメージで溢れとても引き付けられます。そして施設の上部にあがることができるようになっているのですが、その場所からの景色は言葉に現れないような美しさです。
どこが計算しつくされた建築物のような配置、そして水の流れ、ずっと見ていたくなるような美しい風景でした。丸い宝石から水があふれ出ているようでした。

まとめ

本来ただの農業施設である円筒分水槽ですが東山円筒分水槽は他の円筒水槽とは比べ物にならない美しさがありました。それは形状的に円筒水槽が高い位置に設計されていることもこの美しさにつながっているように感じます。近年、史跡として注目を浴びるようになっていますが、富山県魚津によった際は是非一度訪れてみる価値がある必見の穴場です!!

東山円筒分水槽  場所 富山県魚津市東山    https://goo.gl/maps/zDwdnbK2sVdeNZrN9