
飛騨の端午の節句との五月人形選び
2020/08/19
# 風習・文化
飛騨(岐阜県高山市、飛騨市、下呂市、白川村)では、5月5日の端午の節句は一か月遅れの6月5日に行われます。
全国的にみても北陸・甲信地方の一部に風習として残っているようです。
これは雪の多いところでは菖蒲の成長が 1ヶ月ほど遅れることから旧暦の端午の節句に近くなる6月に実施するところが多くなったともいわれています。
飛騨の五月人形は日本に伝わる伝統的な飾りと同じですが、家具メーカーが多いため木製の鯉のぼりや一位一刀彫の木彫りの兜などもあります。
飛騨の柏餅
飛騨の端午の節句の風習としては菖蒲湯はもちろん柏餅もたべるのですが、柏餅の中身のあんこの種類が豊富です。飛騨ではこしあん、つぶあんの他になんとみそあん!!を販売するメーカーもあります。イメージするとみそが合うのか?と思われるでしょうが、これがほのかなみその味と香りに白あんが混ざりなかなかの美味です。
そしてもうひとつお勧めしたいのが、柏餅と同時期に飛騨の下呂地方で食べられる「あねかえし」というたべものです。草餅に近いのですが別物で、新鮮なよもぎの葉を混ぜたお餅を、あねて(こねて)ひっくり返して作ることから、この名前がついたともいわれています。
飛騨に五月から六月に行かれた際、気になる方は是非味わってみてください。
近年の端午の節句と五月人形
一戸建てが主流だった時代からマンションなどに移り、五月人形は大きなものが飾れなくなってきました。そのため武者人形から兜へ、伝統素材から他素材への人気が高まっています。
「小さくても良いもの」これが五月人形選びに共通するポイントですが、古式の良さ、モダンなデザイン等、選ぶときには迷われる事と思います。
「せっかく店に行ったのにたくさんある中から決めきれず帰ってしまった!」なんていう話も実際によく耳にします。
そこで五月人形選びで迷わないために、押さえておくポイントをいくつか紹介します。
・平均して10万~30万円程度が一般的(兜飾り・武者人形・鎧飾り等)
・一人の男の子に一つの五月人形
二人目はお兄ちゃんと一緒に、という考えも一見無駄がなく良いと思われるかもしれませんが、その子の将来の発展と無業息災などを祈り飾るものですから、「一人に一つ」小さくてもかまいませんので用意されると良いでしょう。
・五月人形の将来にわたる考え方
子供が大きくなるにつれどうしても飾る出番が減っていきます。これは時間と共にしかたのない事ですが、将来にわたって長く飾れるという点も五月人形選びにかかせないポイントになります。
まとめ
子どもの将来の成長を願って行われる端午の節句。(五月人形)
子どもが大きくなって、おじいちゃんになってからも飾れるようなものは何か?
今、子供と共に楽しめる五月人形は何か?
親の視点と子どもの視点両方で考えてみることも、作品選びを楽しむポイントになるかもしれません。
日本の風習はとても良いものが残っています。新しい文化をとりいれ変化しながら後世に伝えいくことができれば、
次の世代への新しい伝統として伝わっていくのではないでしょうか。
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# 風習・文化
宝石のような東山円筒分水槽
円筒分水槽と聞いて知っている方はとても少ないのではないでしょうか?
農作地「主に田んぼ」に必要な水源を各地域に平等に分配するために作られたとても理にかなったしくみです。今回は富山県にある東山円筒分水槽についてご紹介します。
まだ観光化していない魅力
富山県魚津市東山地区にある「東山円筒分水槽」はよくある観光地にあるような史跡と違い、農業のために必要だった本来のあるべき姿がそのままに飾らず残っています。
しばらく田んぼや畑が続く田舎の川沿いの道を進んでいくと突然あらわれます。
下から見たときは何かあるなーという程度でその美しさはわかりませんが、施設の上部からの景色は絶景で今まで感じたことのない景色を見ることができます。
円筒水槽のしくみ
水位が高く、水が多かった貝田新地内にある水源を方貝川の底にトンネルを作り、水不足の反対側の東山地区に移動させるために円筒分水槽がつくられました。
東山地区は方貝川より高く、通常では水が上がってこないのですがサイフォンの効果を利用して東山に円筒分水槽を設置することによって実現しています。
東山地区に届いた水は三つの用水に分けられ天神野用水・東山用水・青柳用水につながっていきます。この水によってこれまでの水不足が解消され、農地に多大な潤いをもたらすことになったことは歴史背景を考えてもとても素晴らしい効果があったと感じられます。そして施工後50年たった今もでも何ら支障なく安定した用水に貢献しているということにもこの水槽の役割と価値について考えさせられました。
日本一美しい円筒水槽
この場所を訪れてまず感じるのはその水の美しさです。この美しい水で育った稲や作物はとてもおいしいに違いないと感じました。施設へは東山用水・青柳用水側の田んぼのあぜ道を少し入っていくと丸く大きな筒から水が湧き出ているようなイメージで溢れとても引き付けられます。そして施設の上部にあがることができるようになっているのですが、その場所からの景色は言葉に現れないような美しさです。
どこが計算しつくされた建築物のような配置、そして水の流れ、ずっと見ていたくなるような美しい風景でした。丸い宝石から水があふれ出ているようでした。
まとめ
本来ただの農業施設である円筒分水槽ですが東山円筒分水槽は他の円筒水槽とは比べ物にならない美しさがありました。それは形状的に円筒水槽が高い位置に設計されていることもこの美しさにつながっているように感じます。近年、史跡として注目を浴びるようになっていますが、富山県魚津によった際は是非一度訪れてみる価値がある必見の穴場です!!
東山円筒分水槽 場所 富山県魚津市東山 https://goo.gl/maps/zDwdnbK2sVdeNZrN9
2020-09-22