風習・文化

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知っておきたい新築祝いの相場

友人や職場の上司・同僚が家を新築することになった時あなたは何をしますか?何か贈り物をしようと考えたとき、どんなものがいいか?とても悩みますよね。今回は贈る側、貰う側それぞれの立場に置き換えてどんなものが好まれるかを考えてみましょう。

新築祝いの相場

まずはじめに、相場というものはあくまでも平均値ですからお世話になった方への環境の違いがあることを踏まえ、必ずしもこうであるべきとは考えないことが大切です。

一般的な例としては

友人へ送る場合   5000~10000円程度

親戚や兄弟     10000~30000円程度

会社として     100000~300000円程度

親族と友人などの違い

新築祝いではお金を包む場合とプレゼントを贈る場合に分かれることがあると思います。お金を包む場合はプレゼントを選ぶ等悩む必要がなく楽だという方もいるのではないでしょうか?
プレゼントと違い使わずに押し入れにしまってしまうような事はおこりませんが渡すほうとしては少し躊躇されるかたも多いため、基本的には親族などの近い方へはお金を包むことが多く友人や上司等にはプレゼントを贈ることが多くなっているようです。
友人や上司などの場合は複数人からまとめてという意見も多いです。

新築祝いのタイミング

日本ではお祝いをする場合その記念日の前に行うことが一般的ですここで注意しておく必要があるのは 新築祝いの場合は完成してから少し時間をおいてから贈る という事です。
引っ越し当初は荷物の整理などがすんでおらず段ボールに囲まれた状況です。そんな中プレゼントやお祝いをもらっても落ち着かず、せっかくの好意も半減してしまう可能性があるからです。
タイミングとしては1か月~2か月ほどたった頃がお勧めですが新築お披露目会などがあった場合はその際てぶらでいかれるよりはそのタイミングでわたされるのが良いと思います。

相場の特例

上記で記したように一般的な相場はありますが 特にお世話になった方や自分が御祝時にもらった内容が相場より高かった場合など、関係をしっかりと把握しお返しの際はそれと同様以上のものを贈ることが相手にとって失礼にならない条件です。
友人であっても100000円以上のものを贈ることもあるでしょうし、会社などの場合は個人と違い会社を代表して贈ることになりますので少し背伸びをするぐらいで対応していることも多いです。

まとめ

新築祝いは一生に何度もあるお祝いではありません。これから新しい生活をスタートするにあたってお互いが良い関係を続けれるように御祝する側される側双方が感謝できるタイミングや内容にしていくことが大切なのではないでしょうか?

 

 

 

# 風習・文化

2021-02-13

端午の節句の歴史

日本には五つの節句がありそれぞれに歴史や言い伝え、風習があります。その中でも桃の節句、端午の節句はよく知られ日本のよき文化として伝わっています。
今回は端午の節句について考えてみたいと思います。

古来じつは女性の節句だった端午!

 

端午の節句といえば男の子の節句ですが実はその昔は女の子の節句だという事ご存じでししょうか?

端午の節句は元をたどると中国からきています。中国では端午の日に穢れを祓い厄災から逃れるための行事が行われました。後に(午)は五に通じるため、五月五日を端午と考えるようになり、それが日本にも伝わったそうです。 まさに語呂合わせですね。
日本では端午の頃田植えの季節に重なり、田の神を祭るために菖蒲の葉を屋根に書いた家に籠る行事(穢れにふれぬよう身体を清め、家に籠って過ごすこと)が行われていました。これと中国の祓えの行事とが結びつき田の神を祭るのは女性の役割だったことから古来端午の節句は女性の節句とされていたそうです。

ではいつ男の子の節句に変わっていったのでしょうか?これは日本の武士の存在がかかせません。武士の台頭で菖蒲を「勝負」や「尚武」にかけ縁起をかつぎ女の子の節句が次第に男の子の節句へと変化、兜や武者人形(五月人形)を飾る現代の形になったそうです 今では こどもの日 として認知され こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日として制定されています。

風習の歴史をたどると地域の伝統や文化にふれることができとてもおもしろいですね。

鯉のぼりをかざるようになったのは身分制度の違い?

端午に武家では家紋の幟を一対、中国の魔除けの神である鍾馗を描いた旗を立てるのが一般的でしたが身分の厳しかった時代に平民が武士と同じものを飾ることはゆるされなかったため鯉を描いた幟を飾ったのが始まりのようです。

東京の伝説では武士ではない子供たちには飾るものがなく、かわいそうに思った人が家紋の幟の変わりとなるものはないかと考え、子供たちに人気の鯉の幟を作ったのが始まりという内容の物語や、幟の上にさらに小さな旗をつけ、その中に小さな紙製の鯉をつけたものがあり、それが人気となって大型化したという物語もあるようです。

 

まとめ

歴史を辿ると端午の節句は女の子の節句から男の子の節句へと変化してきたことに驚きます。 歴史のターニングポイントは現代の風習にもつながりとても興味深いです。
風習とともに歴史をふりかえってみるのも新しい発見があるのかもしれませんね。

# 風習・文化

2020-11-02

宝石のような東山円筒分水槽

円筒分水槽と聞いて知っている方はとても少ないのではないでしょうか?

農作地「主に田んぼ」に必要な水源を各地域に平等に分配するために作られたとても理にかなったしくみです。今回は富山県にある東山円筒分水槽についてご紹介します。

まだ観光化していない魅力

富山県魚津市東山地区にある「東山円筒分水槽」はよくある観光地にあるような史跡と違い、農業のために必要だった本来のあるべき姿がそのままに飾らず残っています。
しばらく田んぼや畑が続く田舎の川沿いの道を進んでいくと突然あらわれます。
下から見たときは何かあるなーという程度でその美しさはわかりませんが、施設の上部からの景色は絶景で今まで感じたことのない景色を見ることができます。

円筒水槽のしくみ

水位が高く、水が多かった貝田新地内にある水源を方貝川の底にトンネルを作り、水不足の反対側の東山地区に移動させるために円筒分水槽がつくられました。
東山地区は方貝川より高く、通常では水が上がってこないのですがサイフォンの効果を利用して東山に円筒分水槽を設置することによって実現しています。
東山地区に届いた水は三つの用水に分けられ天神野用水・東山用水・青柳用水につながっていきます。この水によってこれまでの水不足が解消され、農地に多大な潤いをもたらすことになったことは歴史背景を考えてもとても素晴らしい効果があったと感じられます。そして施工後50年たった今もでも何ら支障なく安定した用水に貢献しているということにもこの水槽の役割と価値について考えさせられました。

日本一美しい円筒水槽

この場所を訪れてまず感じるのはその水の美しさです。この美しい水で育った稲や作物はとてもおいしいに違いないと感じました。施設へは東山用水・青柳用水側の田んぼのあぜ道を少し入っていくと丸く大きな筒から水が湧き出ているようなイメージで溢れとても引き付けられます。そして施設の上部にあがることができるようになっているのですが、その場所からの景色は言葉に現れないような美しさです。
どこが計算しつくされた建築物のような配置、そして水の流れ、ずっと見ていたくなるような美しい風景でした。丸い宝石から水があふれ出ているようでした。

まとめ

本来ただの農業施設である円筒分水槽ですが東山円筒分水槽は他の円筒水槽とは比べ物にならない美しさがありました。それは形状的に円筒水槽が高い位置に設計されていることもこの美しさにつながっているように感じます。近年、史跡として注目を浴びるようになっていますが、富山県魚津によった際は是非一度訪れてみる価値がある必見の穴場です!!

東山円筒分水槽  場所 富山県魚津市東山    https://goo.gl/maps/zDwdnbK2sVdeNZrN9

# 風習・文化

2020-09-22

飛騨の端午の節句との五月人形選び

飛騨(岐阜県高山市、飛騨市、下呂市、白川村)では、5月5日の端午の節句は一か月遅れの6月5日に行われます。
全国的にみても北陸・甲信地方の一部に風習として残っているようです。
これは雪の多いところでは菖蒲の成長が 1ヶ月ほど遅れることから旧暦の端午の節句に近くなる6月に実施するところが多くなったともいわれています。
飛騨の五月人形は日本に伝わる伝統的な飾りと同じですが、家具メーカーが多いため木製の鯉のぼりや一位一刀彫の木彫りの兜などもあります。

飛騨の柏餅

飛騨の端午の節句の風習としては菖蒲湯はもちろん柏餅もたべるのですが、柏餅の中身のあんこの種類が豊富です。飛騨ではこしあん、つぶあんの他になんとみそあん!!を販売するメーカーもあります。イメージするとみそが合うのか?と思われるでしょうが、これがほのかなみその味と香りに白あんが混ざりなかなかの美味です。
そしてもうひとつお勧めしたいのが、柏餅と同時期に飛騨の下呂地方で食べられる「あねかえし」というたべものです。草餅に近いのですが別物で、新鮮なよもぎの葉を混ぜたお餅を、あねて(こねて)ひっくり返して作ることから、この名前がついたともいわれています。
飛騨に五月から六月に行かれた際、気になる方は是非味わってみてください。

近年の端午の節句と五月人形

一戸建てが主流だった時代からマンションなどに移り、五月人形は大きなものが飾れなくなってきました。そのため武者人形から兜へ、伝統素材から他素材への人気が高まっています。
「小さくても良いもの」これが五月人形選びに共通するポイントですが、古式の良さ、モダンなデザイン等、選ぶときには迷われる事と思います。
「せっかく店に行ったのにたくさんある中から決めきれず帰ってしまった!」なんていう話も実際によく耳にします。
そこで五月人形選びで迷わないために、押さえておくポイントをいくつか紹介します。

・平均して10万~30万円程度が一般的(兜飾り・武者人形・鎧飾り等)
・一人の男の子に一つの五月人形

二人目はお兄ちゃんと一緒に、という考えも一見無駄がなく良いと思われるかもしれませんが、その子の将来の発展と無業息災などを祈り飾るものですから、「一人に一つ」小さくてもかまいませんので用意されると良いでしょう。

・五月人形の将来にわたる考え方

子供が大きくなるにつれどうしても飾る出番が減っていきます。これは時間と共にしかたのない事ですが、将来にわたって長く飾れるという点も五月人形選びにかかせないポイントになります。

まとめ

子どもの将来の成長を願って行われる端午の節句。(五月人形)
子どもが大きくなって、おじいちゃんになってからも飾れるようなものは何か?
今、子供と共に楽しめる五月人形は何か?
親の視点と子どもの視点両方で考えてみることも、作品選びを楽しむポイントになるかもしれません。
日本の風習はとても良いものが残っています。新しい文化をとりいれ変化しながら後世に伝えいくことができれば、
次の世代への新しい伝統として伝わっていくのではないでしょうか。

# 風習・文化

2020-08-19

還暦の意味とお祝い

還暦と聞いて思いつくのは60才、赤いちゃんちゃんこ等ですが、その意味を詳しくご存じでしょうか?
還はひとめぐりする事を意味し、暦は時間の流れを年・月・週・日といった単位に当てはめて数えるように体系付けたものです。
この二つが合わさった漢字が意味する還暦とは何かを紹介していきます。

還暦祝いの意味

還暦とは生まれた年から60年かけて干支が一週回って元の暦にもどることから長寿を祝う行事として伝わっていますが、
一般的にみなさんが使う十二支はこの干支の支の部分です。子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥になります。
では干支の「干」の部分は何かというと十干のことで「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」となります。
この組み合わせが60種類あり干支が一週回ると60年かかるという事になります。
現代の60歳という年齢は知識や経験に富み人生の節目としてすばらしいタイミングです。
この時期はなかなか家族で一緒に行う行事も少ないため、とても良い機会ですのでみなさんで楽しく工夫して過ごしてみてはいかがでしょうか?
伝統的には赤いちゃんちゃんこを着てお祝いする形式がありますが、家族で食事に行ったり記念品をプレゼントしたりするのも良いですね。

還暦で赤色が使われる理由

生まれた年の干支に還ることから赤ちゃんに還るという意味で赤色を使うようになったといわれていますが、日本では赤が魔除けや神聖な意味合いがあるからだそうです。
神社などの鳥居が朱色だったりするのもそういった理由からです。

還暦祝いの贈り物やプレゼントにお勧めなものとは?

記念日に贈るものをどれにしよう?かと悩まれるかたも多いと思います。
ポイントとして押さえておきたいことは、必ず赤に関するものでなくても良いという事です。
還暦=赤というイメージが強いので、赤にまつわるものはもちろん良いです。
御祝全体に言える事ですが、一番大切なことは、、

・相手に感謝の気持ちを伝える事
・記念日のイベントを楽しむ事

御祝する自身が楽しめなくて形式的にやるのであれば相手に感謝の気持ちも伝わりませんし、記憶にも残らないものになってしまいます。
笑顔があふれる温かいイベントにするためにもそういった心構えで企画してみてはいかがでしょうか?
贈り物には毎日使える物、食器やコップ等なども良いでしょうし赤い花などもお勧めです。
その方の日々の生活スタイルや趣味にあったものを選んであげると良いですね。

まとめ

還暦祝いには伝統的なちゃんちゃんこを着てお祝いしたり、旅行にいったり食事をするのも良いでしょう。還暦を迎えた方の60年の人生の物語を聞かせてもらい、みんなでお祝いするのも良いかもしれません。
人生の一つの節目を周りの人も楽しみながらお祝いができたらとても幸せな事だと思います。

# 風習・文化

2020-08-19