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宝石のような東山円筒分水槽

円筒分水槽と聞いて知っている方はとても少ないのではないでしょうか?

農作地「主に田んぼ」に必要な水源を各地域に平等に分配するために作られたとても理にかなったしくみです。今回は富山県にある東山円筒分水槽についてご紹介します。

まだ観光化していない魅力

富山県魚津市東山地区にある「東山円筒分水槽」はよくある観光地にあるような史跡と違い、農業のために必要だった本来のあるべき姿がそのままに飾らず残っています。
しばらく田んぼや畑が続く田舎の川沿いの道を進んでいくと突然あらわれます。
下から見たときは何かあるなーという程度でその美しさはわかりませんが、施設の上部からの景色は絶景で今まで感じたことのない景色を見ることができます。

円筒水槽のしくみ

水位が高く、水が多かった貝田新地内にある水源を方貝川の底にトンネルを作り、水不足の反対側の東山地区に移動させるために円筒分水槽がつくられました。
東山地区は方貝川より高く、通常では水が上がってこないのですがサイフォンの効果を利用して東山に円筒分水槽を設置することによって実現しています。
東山地区に届いた水は三つの用水に分けられ天神野用水・東山用水・青柳用水につながっていきます。この水によってこれまでの水不足が解消され、農地に多大な潤いをもたらすことになったことは歴史背景を考えてもとても素晴らしい効果があったと感じられます。そして施工後50年たった今もでも何ら支障なく安定した用水に貢献しているということにもこの水槽の役割と価値について考えさせられました。

日本一美しい円筒水槽

この場所を訪れてまず感じるのはその水の美しさです。この美しい水で育った稲や作物はとてもおいしいに違いないと感じました。施設へは東山用水・青柳用水側の田んぼのあぜ道を少し入っていくと丸く大きな筒から水が湧き出ているようなイメージで溢れとても引き付けられます。そして施設の上部にあがることができるようになっているのですが、その場所からの景色は言葉に現れないような美しさです。
どこが計算しつくされた建築物のような配置、そして水の流れ、ずっと見ていたくなるような美しい風景でした。丸い宝石から水があふれ出ているようでした。

まとめ

本来ただの農業施設である円筒分水槽ですが東山円筒分水槽は他の円筒水槽とは比べ物にならない美しさがありました。それは形状的に円筒水槽が高い位置に設計されていることもこの美しさにつながっているように感じます。近年、史跡として注目を浴びるようになっていますが、富山県魚津によった際は是非一度訪れてみる価値がある必見の穴場です!!

東山円筒分水槽  場所 富山県魚津市東山    https://goo.gl/maps/zDwdnbK2sVdeNZrN9

# 風習・文化

2020-09-22

干支の始まりと裏干支

干支のはじまりについて物語があるのはご存じでしょうか?
子からはじまり亥で十二支がきまったきっかけや、干支について知っておきたい豆知識などについて紹介いたします。

干支のはじまり

干支の始まりの物語としてはこのように伝わっています。
ある年の暮れに神さま(お釈迦様)が動物たちを集めこう言いました。
「元日の朝に挨拶に来た1番から12番までをその年を守るリーダーとする」
物語としてはこのように伝わっています。歩くのが遅い牛は夜が明ける前に一番早く出発しました。ところがずる賢いねずみはこっそりと牛の背中に乗っていき元日の朝一番に神様の前に着く直前、牛の背中から飛び降り一番になったというお話です。
その後みなさんも知っている十二支 の順位が決まります。猫はねずみに一日遅い日が集合時間だと言われ十二支に入ることができず、今でもねずみを追いかけているという話がおもしろい言い伝えです。
犬猿の仲という言葉があるように猿と犬がとなり同士だとけんかをしてしまうため、間にとりを挟むことで神様はいつも見ているんだよ、という事を表すなどとても面白い物語となっています。
個人的に面白いと思うのは空を飛べる辰がなぜ一番でなかったのか?
もちろん起きるのが遅かったのかもしれませんがそういった矛盾点も干支に関する物語を知る際には楽しめる点といえるでしょう。

干支と裏干支


干支には裏干支というものが存在します。自分の生まれ年の干支から6つ先に位置する干支を裏干支と呼び、自分の干支を含めると7番目の干支のことをいいます。
十二支を時計のように円形に配置したときに、ちょうど反対側に位置されますので自分の裏側にある干支です 例 ねずみであればうまが裏干支になります。
また、向かい干支・逆さ干支ともいわれています。干支は自身の守りになることはご存じかと思いますが、裏干支は自身の足りない部分を補いそれぞれを高めてくれる役割があるとされています。
自身の干支を飾る際には裏干支も一緒に飾ることでよりいっそう効果が高まりそうですね。

まとめ

干支のはじまりについてはとても面白い物語となっていますので、改めて絵本などで知ることもお勧めしたいです。神様が集めたという話やお釈迦様が集めたという話もありそれぞれが少し脚色されていて大人でも楽しめるようになっています。

 

# 知る・学ぶ

2020-09-22

知っておきたい包丁の研ぎ方!

包丁の手入れといえば、セラミックシャープナーをイメージする方も多いのではないでしょうか?新しく購入してから、実は何年も研いでいないという方もいるかもしれません。
今回は普段使っている包丁についての基礎知識と研ぎ方のコツを紹介します。

包丁の素材

現代の包丁はそのほとんどがステンレス製です。ステンレスの特徴はご存じのように錆びない包丁として人気です。もう一つは昔ながらの鋼製です。
鋼製はとてもキレ味が良くプロの料理人やこだわりのある方に人気ですが、ステンレスと違い錆びやすいのが特徴です。
素材としてはその他にもセラミックやステンレスと鋼のハイブリット使用のような包丁もあり、購入される際は悩まれることが多いと思います。

鋼製の包丁を錆びなくする方法

鋼製の包丁をまったく錆びないようにする方法はありませんが、限りなく錆びにくいようにすることは可能です。
コツはたったの一つだけ「使った後に必ず水をふき取る!!」です。
多くの方がありがちなのは包丁を使った後に少し水をはらった程度で収納してしまう事です。水が少しでもついたまま保管していると一日で錆が包丁にまわり、一度ついてしまった錆は研がない限りもとには戻りません。
簡単な事なのですが面倒だとついついやってしまうこの習慣を是非改めてみてはいかがでしょうか?キッチンペーパーや布巾でそっと拭いてしまうだけで、驚くほど錆がつきにくい包丁に変わることができます。

包丁の研ぎ方のコツ

包丁を研ぐのはなかなか難しくお店に預ける方も多いですが、実は包丁研ぎはそこまで難しいものではありません。一番簡単なのは市販のセラミックシャープナーで数回上下することですが、この研ぎ方には限界があります。
理由は刃先だけを研磨するので初めの数回は切れ味が戻りますが、何度も行っているうちに包丁の角度がつぶれて鋭利さを失っていくからです。
鋭利さを失った包丁はどれだけ研いでも切れ味が良くなることはありません。

次に砥石を使って研ぐ方法です。
砥石は天然砥石を使う必要はまったくありません。セラミック砥石というものが販売されていますので実はそちらで十分研ぐことができます。
番手は1,000番と仕上げに2,000番の二種類あれば大丈夫ですが、どちらか一つでも十分に切れ味が戻ります。

ポイントは以下です。

・包丁を研ぐ際はできるだけ包丁に角度が付くように寝かした状態で研ぐ。
(※早く終わらせようとすると、どうしても刃先だけを研いでしまうので注意)

・包丁は縦方向に研ぐのではなく横方向(包丁を横にして上下に研ぐ)にする事。

・研いだ時に出る黒い研ぎ汁は水で流さずに残したまま研ぐ。

この黒い研ぎ汁ですが、実は研磨剤の役目がありますので仕上げ砥石をもっていない場合も、軽く乗せて優しく上下する事で仕上げの代わりにもなります。
砥石面に水が多すぎず逆に水が無くならないような中間の状態をキープするととても切れ味良く研ぐことができます。
研ぎ汁を残すという点はあまり教わることがない要素ですので是非試してみて下さい。

まとめ

包丁は毎日使うものですので、切れ味を保つように使いやすく手入れする必要があります。
ご自身でできない場合はお店に預ける方法もありますが、是非自分で研ぐ事にチャレンジされてはいかがでしょうか?
初めはうまくいかなくても繰り返す事でコツをつかむことができます。
自分自身で研げるようになれば愛着もでて料理も一層楽しくなるのではないでしょうか?

# 暮らし

2020-08-19

飛騨の端午の節句との五月人形選び

飛騨(岐阜県高山市、飛騨市、下呂市、白川村)では、5月5日の端午の節句は一か月遅れの6月5日に行われます。
全国的にみても北陸・甲信地方の一部に風習として残っているようです。
これは雪の多いところでは菖蒲の成長が 1ヶ月ほど遅れることから旧暦の端午の節句に近くなる6月に実施するところが多くなったともいわれています。
飛騨の五月人形は日本に伝わる伝統的な飾りと同じですが、家具メーカーが多いため木製の鯉のぼりや一位一刀彫の木彫りの兜などもあります。

飛騨の柏餅

飛騨の端午の節句の風習としては菖蒲湯はもちろん柏餅もたべるのですが、柏餅の中身のあんこの種類が豊富です。飛騨ではこしあん、つぶあんの他になんとみそあん!!を販売するメーカーもあります。イメージするとみそが合うのか?と思われるでしょうが、これがほのかなみその味と香りに白あんが混ざりなかなかの美味です。
そしてもうひとつお勧めしたいのが、柏餅と同時期に飛騨の下呂地方で食べられる「あねかえし」というたべものです。草餅に近いのですが別物で、新鮮なよもぎの葉を混ぜたお餅を、あねて(こねて)ひっくり返して作ることから、この名前がついたともいわれています。
飛騨に五月から六月に行かれた際、気になる方は是非味わってみてください。

近年の端午の節句と五月人形

一戸建てが主流だった時代からマンションなどに移り、五月人形は大きなものが飾れなくなってきました。そのため武者人形から兜へ、伝統素材から他素材への人気が高まっています。
「小さくても良いもの」これが五月人形選びに共通するポイントですが、古式の良さ、モダンなデザイン等、選ぶときには迷われる事と思います。
「せっかく店に行ったのにたくさんある中から決めきれず帰ってしまった!」なんていう話も実際によく耳にします。
そこで五月人形選びで迷わないために、押さえておくポイントをいくつか紹介します。

・平均して10万~30万円程度が一般的(兜飾り・武者人形・鎧飾り等)
・一人の男の子に一つの五月人形

二人目はお兄ちゃんと一緒に、という考えも一見無駄がなく良いと思われるかもしれませんが、その子の将来の発展と無業息災などを祈り飾るものですから、「一人に一つ」小さくてもかまいませんので用意されると良いでしょう。

・五月人形の将来にわたる考え方

子供が大きくなるにつれどうしても飾る出番が減っていきます。これは時間と共にしかたのない事ですが、将来にわたって長く飾れるという点も五月人形選びにかかせないポイントになります。

まとめ

子どもの将来の成長を願って行われる端午の節句。(五月人形)
子どもが大きくなって、おじいちゃんになってからも飾れるようなものは何か?
今、子供と共に楽しめる五月人形は何か?
親の視点と子どもの視点両方で考えてみることも、作品選びを楽しむポイントになるかもしれません。
日本の風習はとても良いものが残っています。新しい文化をとりいれ変化しながら後世に伝えいくことができれば、
次の世代への新しい伝統として伝わっていくのではないでしょうか。

# 風習・文化

2020-08-19